油絵の描き方
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油絵の特徴
まずはじめに、描き方の基本のまえに、油絵の特徴を紹介します。
油によって油絵具は顔料・染料などが練られています。
絵具が乾く現象は、それが空気に触れて酸化し、個体化する事です。
油絵具は固定化されることにより、耐久性と堅牢さを持ちます。
乾きは遅いものの、水彩絵具と異なり細密画や写実的な表現が出来ます。
そうして、大抵のものの上に描けます。
重ね塗りが出来るので重厚な表現も出来ますし、透明感も溶き油の使い方によって出せます。
また、多少は描き損ないも直す事も出来ます。
表現、自由な描き方もいろいろな技法により、可能です。
技術的に大変奥深いうえ、初心者でも学びやすいのですが、その追求に飽きを知りません。
あらかじめ注意して知識を持って扱えば、柔軟性が材質的にも、技術的にもありますので、そんなに気にしなくてもよいのです。
油絵の描き方
まずはキャンパスをセッティングするのでイーゼルを立てます。キャンパスの中心がくるように調節しイーゼルの高さをとります。自分の目の位置にします。2~3メートルモチーフからの距離をとります。
自分とキャンパスとの位置も十分にとり、近づきすぎないようにしましょう。
次に、制作に入ります。まずは木炭で軽く当たりを取ります。全体をつかむ感じで、直線を主に描きます。
ここで画面の構図をしっかりと決めます。時間をとり、納得する迄慎重に検討します。
油絵を描く上でもっとも重要な行程です。
描きだす前に、キャンパスの中心点を求め、構図を決めていくのも重要です。人により、前段階としてスケッチしながら構図を決める人もいます。
下書きは木炭でするのは、鉛筆だと消えにくかったり、あとで困ってしまうからです。
あまり黒々と描くのは絵具を着彩した際に黒く汚れてしまうので、軽く描きます。
一枚のぼろきれで木炭を消すのは十分です。ハンカチ大にぼろきれは切り、何枚も用意しましょう。
油絵を描くにあたって、欠かせません。
油絵の描き方2
木炭の下書きが終わったら、木炭を定着液(フィクサチーフ)で定着します。
スプレー式のを使用します。20~30cmくらいのところからキャンパスにあまり近づけすぎないで、吹き付けます。たっぷり吹き付ける必要はありません。指で触れ、ちょっと木炭が落ちるくらいでいいでしょう。
次に、パレットを用意します。そこに絵具を並べます。出す量は親指の爪くらいでいいでしょう。
白はその倍を出します。
必ず12色くらいパレットに出すと覚えておきましょう。
特に、自然の色に近づけるためにホワイト、イエローオーカー、バーントシェンナ、ウルトラマリンディープは必要な色です。忘れずに出しましょう。
油壺をパレットの指穴周辺につけ、テレピン油を注ぎます。
いよいよ絵具を使います。下描きの第二段階に入ります。
テレピン油で絵具を薄く溶いて筆は6~8号くらいの固い毛を使います。
まず、バーントシェンナを薄く溶いて再び下書きをします。茶系の絵具は上に乗せる色に響かないので、下書きには無難な色といえます。
油絵の描き方3
木炭の線に沿って、モチーフがもっている明暗を4段階ぐらいのグラデーションに見取って薄く溶いた茶色で描きます。このとき、新たなデッサンをするのと同じように描きます。
下描きが済んだら、モチーフの固有色を着ける番です。
今、バーントシェンナはほとんど乾いている筈です。その上からやはり水彩のようにさらりと薄く、そのものがもっている固有の色をつけていきます。
絵具を擦り込むようにキャンパスにゴシゴシと描き、全体の感じをつかみます。
この段階は短時間でできてしまうので、あまり時間をかけません。
これで下書きは修了です。
ここで、どのような構図で描き込もうかと自問自答しましょう。
構図を直すならいまのうちです。
次は、描き込みの段階に進みますが、油を変えましょう。リンシード・オイルかペインティング・オイルを使います。テレピン油がまだ少し残っているようでしたら、そこに注ぎ足しても構いません。
油絵の描き方4
初心者の方は、油を水彩画のように水として使ってしまいますが、絵具を重ねるのが難しくなるためこれはやめましょう。
のばすときはちょっと筆につける程度と、すでに油絵の具は油で練ってありますので、そう考えてよいでしょう。
一般的には、完成に近づくにつれて、溶き油の濃度をあげていきます。
つまり、下塗りではテレピンなどの揮発性油でおつゆ状に薄く溶き、絵具を馴染ませてキャンパスに描き、素早く作業を進めます。
描き込みの段階は、ペインティング・オイルやリンシードを注ぎ足し、クリーム状に溶いて使います。
徐々に溶き油の量を抑えて、仕上げ時はごく少量、あるいは全く使わずに盛り上げたり、強いタッチで絵具のボリュームや特性を生かします。
さて、いよいよ描き込みです。中心となるものから描き込んでいきます。
下書きのときと違って今度はたっぷりの絵具を塗っていきましょう。
油絵の描き方5
次に、描き進めていく上で注意する点は物が孤立してバラバラになってしまうということです。
モチーフを一個一個描いてしまいがちですが、なるべく隣接したものを一緒に描いていくようにしましょう。
例えば、テーブルをすぐに描くということ、リンゴを描いていたならそれに接する周辺のバックとかです。
こうするとモチーフが周囲と馴染んで自然に見えます。
それから、乾いてないうちに描くところ、乾いてから描くところがあります。
例えば風景の場合なら茂っている木の枝など周りのものと剥離してしまっては困るところや果物や器等のハイライト(光っているところ)は乾かないうちに描いてしまいます。
一方乾いてから描くところは、なんといっても絵具を重ねていく場合です。それなら、うまくいかなかったところを修正する場合もそうです。
油絵の描き方6
絵具を盛り上げる事を油絵独特の表現方法で、インパストといいます。
絵具のつけ方として、一般的に強調したいところとか明るいところは絵具をたっぷりとつけます。
そして広いところもそれなりに絵具の量が必要です。
狭いところや暗いところは絵具の量は少なくてよいでしょう。
覚えてほしいのは、油絵の場合、タッチ、色、形、だけでなく油絵具の量も大切だということです。
量だけでも何かを訴えられるものなのです。
筆のタッチはとても大事となります。
油絵を始めて間もない人は、筆でなめすように描いてしまいがちですが、画面に絵具を置くような感じで、なるべくタッチを残すようにしましょう。
物の輪郭線に沿ったタッチはあまり使わずに、物の面を描くようにして と、立体感も出やすくなります。
今はピンとこないかもしれませんが、タッチは絵画表現の大事な要素のひとつです。これから深く絵を追求しようとしている方はメチエにもかかわってくる大事な部分です。
油絵の描き方7
一応、全体を描いたとします。
これでうまくいったらしめたものです。
けれど、再びその部分に手を入れる事になります。
どうもある部分が気に入らないとなってしまうからです。
そうするとどうでしょう、部分的に手を入れた事により今迄全体にうまくいっていたものが
存在感が出てしまったりして物足りなさを感じる事になると思います。
そんなときは躊躇わず、うまく描けていた部分も手を入れましょう。
つまり、仕上げは二度手を入れる、一度全体を描いてからもう一度「描き起こす」という風に考えます。
再び描き起こす場合、絵が乾いているときは全体にグラッシ(透明色を溶き油やルツーセで薄く塗る事)
して、描き起こすのも一つの手です。
こうすると下の色と重なり合い、透明感のある重厚な奥行きがで、濃淡が出てきます。
これは油絵独特の手法といえるでしょう。
油絵の描き方8
できあがりました。完成品にはサインをしておきましょう。
「私が描きました」という証でもありサインは「完成しました」という終止符でもあります。
サインする場合は、基本左右の下隅の空いているところに書きます。
注意したいのが、キャンパスの縁から1cm入ったところに書くという事。
額縁に作品をおさめたとき、隠れてしまわないためです。
以上が油絵制作の描き方ですが、これはあくまで平均的な一般論にすぎません。
様は油絵制作になれ、自分に即した方法が見つかればよいわけです。
うまい・へたは問題外です。
いえ、うまくないといわれる作品にこそ、しみじみとしたものや奥深い内面がかいま見られる物が多いのです。
これで足りないという方は、油絵教室などにいって基本から勉強してみてもいいでしょう。